JPCLブログの記事

そのうちJPCLブログにも掲載される予定の内容ですが、せっかく書いたのでこちらにも掲載します。
 
ちなみにこれから書くことはすべて実話です。
一切の嘘はついておりません。
では、どうぞ。
 
先日体験した出来事をお話ししようと思います。
つい先週のことです。
時間は深夜0時を少し越えた頃だったでしょうか。
 
練習を終えて帰宅し、遅い夕食を済ませた僕は家のゴミを捨てに外へ出ました。
ゴミ捨て場は建物備え付けで、24時間捨てることができる最近よくあるタイプのものです。
自宅アパートにはエレベーターがなく、廊下を階段まで歩いていくしか下に行く道はありません。
 
冬の夜の寒さに少し震えつつ、3階にある部屋からゴミを手に階段を降りていきます。
一階に着いたら出てすぐ右手にある小さい建物がゴミ捨て場です。
やや硬くていつも開ける時注意している扉を開け、ゴミを置くとまた若干手こずりながら元のように閉めました。
 
当たり前の話ですが、自室に帰るためにはもう一度階段を登らねばなりません。
気のせいか空気が冷たさを増しているように感じられます。
暖かい部屋に戻って休もうと足早に、しかし一段ずつ階段を上がり始めました。
 
アパートの階段は最近緑色のペンキで塗り直されていて、毒々しい見た目が寂しい蛍光灯の光と相まって嫌に目に付きます。
空気はさらに冷たく、衣服の中にまで寒さが忍び込んでくるかのように感じられます。
そこまで冷えたわけでもないのに、肌が粟立っているのがわかりました。
 
登っている最中目に入るのは深緑の階段とクリーム色の壁です。
塗りたての建物はのっぺりとして おり、同じ材質と色味がずっと続きます。
階数の表示もないため、それこそ全く同じ構造物の中を延々と歩いているようです。
 
ふと、このままどこまでも階段が続くのではという考えが浮かびました。
瞬間に、周囲の空気が一変しました。
もはやここは自分が住んでいる建物ではない、禍々しさが寒さと共に肌を突き刺すようです。
 
僕はゆっくりと急いで階段を上がりました。
無事に戻れればいい、その一念でした。
命からがら階段を登りきり、廊下を抜け、部屋に戻れた時のあの安堵感といったら!
 
時間にしてみたらたったの数分間の出来事だったのでしょう。
でした。
皆様も冬の夜のゴミ捨てにはくれぐれもお気をつけください……。
 
 
 
 
 
 
落ち:深夜にごみ捨てに行ったらなんか怖くなったよ、という話。類語「幽霊の正体見たり枯れ尾花」。
 

Daisuke & Kana

Japanese Professional Ballroom Dancer

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