日本インター

外から見ていると財団は完全に分裂するようだ。
ちょっと前ならまさかそんなことはあるまい、と思っていたことがあっさり現実になった。
歴史の転換点というのは案外こんなものなのかもしれない。

僕にとって、財団は最大かつ最強の国内団体だった。
アマチュアで出場していた時も結局A級にはなれなかった。
プロになっても、なかなか財団の選手には勝てない。

学生の時の師匠は財団のA級選手で、当時ものすごい勢いで伸びていた。
先生に負けないようにと、学生なりに毎日必死で練習していた。
あの頃の日々が僕のダンス人生の基礎になっているのは間違いない。

財団のA級といえば日本のトッププロであり、押しも押されぬ存在だというイメージがあった。
僕もJCFでA級ではあるが、なんとはなしのコンプレックスみたいなものがあってはっきりと胸を張って「A級です」と言いづらいところがある。
卑屈に聞こえるかもしれないが、「真のA級は財団のA級だけだ」という感じがあったのだと思う。

実際はそんなことはなく、JCFだったらボールルームなら庄司先生や三浦先生、中嶋先生、ラテンなら渡部先生や大塚先生など財団だろうとどこだろうと十分に通用する人たちがたくさんいる。
JDCならボールルームは中川先生、森脇先生、ラテンなら瀬古先生、芝西先生、他にも僕がよくわかっていないだけでたくさんのひとがいるだろう。
これは恥ずかしながらプロになってから気づいたことだけども……。

ただ、僕の中のイメージの問題として、財団は特別な存在だった。
プロになってからの目標の一つは統一で財団のA級選手に勝つことだった。
できれば自分の学生時代の師匠も越えたかったけど、これは師匠が引退してしまい間に合わなかった。

そんなこんなで僕のダンス観に大きな影響を及ぼし続けてきた財団が、壊れようとしている。
実際には、もう壊れてしまったのだろう。
僕は他団体だから正直に言えば直接の影響はないのだけれど、不思議なことにそれでもとても悲しい。

なんていえばいいのだろう。
自分の夢の一つが、自ら勝手に崩れてしまったような。
今回の日本インターを見ていると、そんな虚しい気分になる。

Daisuke & Kana

Japanese Professional Ballroom Dancer

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