スタイルとは？

ダンスファンとビュウの記事を読んで考えたこと。

自分自身の特徴を掴み、長所を明確に活用し、短所は可能な限り表に出さない。
例えば往年のチャンピオンであるリチャード・グリーブは左回りの足型が苦手だったため、自分の振付には殆ど使わなかったという話を聞いたことがあります。
全ての技術・要素を完璧にこなしてこそチャンピオンである、という考え方は魅力的ですし実際にそういう人もいるのかもしれませんが、少なくともそうではない人でもチャンピオンになれる、ということをこのエピソードは表していると思います。

自分の身長が低いなら単純な歩幅やスイングの大小では背の高い人には敵いませんし、運動能力がそれほど高くない人があまりにアクロバティックな動きに挑戦するのは足型に振り回される危険が高くなります。
歩幅やスイングが大きいことはいいことですし、最近の傾向として華麗な足型を含む振付に挑戦するのも大切なことは言うまでもありません。
しかし、ある一定の評価基準だけにこだわるのではなく、自分が勝負して勝てる、少なくとも負けない分野は何なのか？という思考が重要なのではないかと思うようになりました。

これは潔くないのではないか、という感覚がなんとなく自分の中にあるのも事実ですが、これは盲滅法いくつかの評価基準の中だけで勝負し、それなりに（あくまでそれなりに）成功を収めてしまったことの負の側面だと考えています。
「道は一本か、十本か」というのは僕が敬愛する岡本太郎の名言の一つですが、まさにその通りなのですね。
一本の道だけにこだわることはなく、目的地に辿り着ければそれまでの道のりは問わないという思考が大事だと思います。

たまには真面目な話でした。