為末大さんについて

最近、為末大さんの言動が気になっている。
良く知らない人の為に解説すると、「侍ハードラー」として世界陸上400メートルハードル走で日本人初の銅メダルという成績を残した偉大なアスリートである。
先日引退を表明し、現在はスポーツ活動の普及などに力を入れているようだ。

wikipedia:為末大
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%BA%E6%9C%AB%E5%A4%A7

ツイッターを通して彼の言葉をたまたま目にする機会が有り、それまでよく知らなかったが一気にはまった。
いくつか紹介する。

「継続は力なりは常に撤退を頭に入れている時に効力を発揮する。只ひたすらに継続を信じ過ぎると、大体積み重ね以外の発想も出てこないし、周囲にも継続を信望するように迫ってしまう。大きなイノベーションは大体何かの思い込みをやめる事が側面にある。」

「坂の上まで行けば楽園が待っている。そう信じて人は必死で走るが、坂の上からは次の坂が見えてるだけだ。死ぬまでそれは終わらない。坂道を上る事、それそのものを愛せるか。愛せる道を選んだか」

「やるべきだからやると思っている人は休めない。基準が自分でないから休むことは罪だと思っている。だから休めない。やりたいからやっている人は休める。自分がやりたいという気持ちを何より大事にしている。だから休める。前者はすり切れる、後者は生き生きしていく」

アスリート経験を基にした発言が多いが、よくある「スポ根」的な立場とは明確に一線を画している。
「ほとんどの夢は叶わないし、ほとんどの人生は負けで終わる。「夢は叶う」は叶った人だけが言えるだけで、叶わなかったほとんどの普通の人はそうは言えない。とすれば、「夢が叶わない現実」の中をどう生きていくか。」
こんなこと、普通のスポーツ指導者は絶対に言わない。

あまりにも有名な少年ジャンプの「努力、友情、勝利」というテーマがある。

強い敵、厳しい試練に打ち克つため主人公は「努力」する。
主人公には仲間やライバルがおり、成長の過程で「友情」あふれる助力を受ける。
そして、最終的に「勝利」する、という筋書きを端的に表した名言である。

ここにあるのは「努力すれば夢はかなう」という単純な方程式である。
日本中の少年が、この考えのもとに書かれたキン肉マンやドラゴンボールのような作品に熱中した。
でも裏返せば、これは「夢がかなわなかったのは努力が足りなかったから」となる。

では、努力すれば本当に夢は叶うのか。

そんなのは「嘘」だと誰もがわかっている。
でも、口にしない。
特にスポーツ界では、そういう空気が非常に強いようだ。

そういう状況に、日本でもトップクラスのアスリートが「それは違うよ」と一言いう。
その衝撃に、僕はいっぺんにこの人のファンになってしまった。
よければ、一度彼の発言をご覧になることを勧める。

著書:走る哲学
http://www.amazon.co.jp/%E8%B5%B0%E3%82%8B%E5%93%B2%E5%AD%A6-%E6%89%B6%E6%A1%91%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E7%82%BA%E6%9C%AB-%E5%A4%A7/dp/4594066445



Daisuke & Kana

Japanese Professional Ballroom Dancer

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